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『そうなんだ。辛そうだね。』
「うん、辛い。でも、私は1人じゃ生きられないから、我慢するしかないの…。本当は逃げ出したい…。」
その言葉を聞いて少年は
『大人は汚い生き物だよ。俺はそんな大人なんかにはなりたくない。君みたいな子が増えないように…。』
慰めの言葉にはならないが、少年なりの言い方で、その少女を励ました
「ありがとう。私の名前はエリー。あなたの名前は?」
『俺は…。名前はないんだよねぇ。』
「えっ、そうなの?」
『うん、俺は生まれた時からずっと1人で生きてたから、名前もないまま育ったんだぁ』
「…そうなの。ごめんね。」
『良いんだよ。でも、俺は有名なここじゃ盗人で、通称【風】って呼ばれてるんだぁ』
「そうなんだ。あはは、面白い呼び名だね。」
少女が初めて笑った顔を見せた
『ははは、でもその呼び名はちょっと気に入らないんだよねえ。…それにしても、エリーって笑い顔可愛いね。』
それを聞いて、エリーは赤くなってこう言った
「えっ、そう?嬉しい。」
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