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出無精の輝(テル)は全てが億劫だった。
振り回されるだけの仕事、惰性で過ごす生活、気を遣うだけの人間関係。
そんなテルの居場所は近くの踏み切りの先にある堤防のベンチ。
休みの日には携帯も持たず、ブックカバーのついた本とタバコを携えて無為な時間を過ごしていた。
野球に励む子供達、散歩をする老人、そして心地よい風。
そういったごくありふれた喧騒がテルに癒しの場を与え、テルも無意識にその場を求めていた。
そして今日もいつものように読書に耽る。
……遠くからいつもと違う雰囲気がした。
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