クラウチテル

4/18
前へ
/81ページ
次へ
 それは足元ら感じる柔らかい物体。  何かがある。  テルは人差し指を本に挟み、体を起こして足元を覗きこんだ。 「いぬ……?」  足元には、主から逃げ出して来たのか首輪にリードが繋ぎっぱなしの小犬――白いチワワ――の体がテルの足をくすぐっていた。 「クッキー!おいでー。」  堤防の向こうから声がした。  足元の犬は声のする方へ顔をあげると一目散に走って行った。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加