星のなみだ

クラウチテル

　子犬を抱いてテルの前に現れた女性は、息も途切れ途切れに言葉を振り絞った。

「ごめ……んなさい💦」

「あ、いえ、こちらこそ……」

　何故か突然テルは頭を下げてしまった。

（何謝ってるんだろ、俺）

　テルはいつもそうだ。

　誰かに話を振られてもただ謝る事でしか反応が出来ない。

　ただ人と距離を置き、なるべく関わらない事で静かに暮らしたいだけなのに…。

　今も女性の話を半分聞き流し、ただ合わせる事でこの状況を看破させようとしているだけだった。