クラウチテル

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 それからまた翌週、いつものようにテルはタバコをふかし、堤防のベンチで読書に耽っていた。  しかし次第に空を分厚い雲が覆い、一雨きそうな雰囲気となった。  こんな日は仕方ない、タバコを早々と消しテルは堤防の階段を登った。 「あ……」  階段を登りきるやや直前、視線の高さに見覚えのある子犬がいた。  子犬はテルに気付いたらしく、リードをピンっと張らせテルに近づこうとしている。
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