7人目

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7人目

 話は7年前にさかのぼる…。    ここは、とある町はずれの丘の上にある孤児院…。正確には若い夫婦が営む教会なのだが…子供が出来ない2人は、身寄りのない子供を引き取っていた。      ブロロロ…。    春の暖かな風が舞う中、音を立て一台のトラックが止まった。荷台からボストンバッグや鞄がぼたぼた落ちる。最後にアルミ製のようなトランクを大事そうに下へ置き、少年は飛び下りた。 「ココがブルー教会だよ、ボウズ。」 「ありがとうございました。」 少年は頭を下げると、トラックは行ってしまった。 同時に教会から20代半ばの男の人が出てきた。 「君かい? 連絡があった“ライン.レッド”くんは…。」 「はい、ブルー牧師様はどちらに?」 「あ、僕がそうだよ。」 「あ、すいません。」 「硬い事は抜きだ…入りなよ。」 「ありがとうございます。」 ラインは頭を深々と下げ、中に入った。    廊下を歩きながら、 「おおい、ライト、ライトー!!」 牧師は声を張り上げた。 「はぁい。」 奥から太めの女性が現れた。歳は牧師と同じくらいだろう。 「僕の妻のライトだ…、あ、この子がラインくんだよ。」 牧師はラインに紹介し、女性に紹介した。「うふふ、同じ“ライ”なんだ? よろしくね♪」 「よろしくお願いします。」 女性の柔らかな笑みにラインは嬉しそうに笑った。 「あ、荷物持つわね。」 ラインが重そうに持っていた荷物を女性は軽々と持って歩きだした。ラインは唖然。 「こっちの荷物もいいわよ。」 女性が銀色のトランクに手を掛けようとした途端、 「あ、こ、これはいいです。」 ラインは慌ててトランクを引ったくるようにして抱え込んだ。 「? 遠慮はナシよ?」 「で、でもいいです。」 「わかったわ。」  
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