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ラインは扉の陰からライトが階段を降り終わる音を確認すると、キョロキョロと周りを見渡した。 そして、扉を閉めると部屋の内側から鍵をかけた。先ほどのトランクを大事そうにベッドの上に乗せ開ける。 ガーガーピーピーと通信音ような音…ラインは中のアンテナを伸ばし、ヘッドフォンマイクを取り付けるとなにやら話し始めた……。      中庭には簡易な吹き抜け屋根のちょっとした運動場みたいな物があった。 「おい、ビリー、そっち行ったぞ。」 「まかせとけって!!」 2人の男の子のバタバタと走る音がする。サッカーをしているらしい。 横の花壇には女の子が2人、じょうろで花に水をあげていた。 「ノエリ、そっち終わった?」 「う…うん、もう…ちょっ…と。」 「あたしの、まだ残ってるよ。」 一人の子がパタパタと走り寄り、反対側からかけ始める。 「あり…がと…。」 いきなり、もう一人の子はじょうろを持ったままシクシクと泣き出した。さっきの子が手をとめ駆け寄った。 「どしたの?」 「だ、だって…わ、私…、お、遅くて…。」 「大丈夫、大丈夫!!」 泣いている子の肩をポンポンと叩く。 「さ、早く、やっちゃおよ。」 「う…、うん…。」 涙をごしごしと拭き少しほほ笑み、また花に水をかけ始めた。 それを見て、もう一人もニッコリ笑うと元の位置に戻り作業を再開した。     2008,5,21am4:22up
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