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彼女の死はこの地
遠く離れた福岡で知った
行方知れず
彼女らしい静かな別れで
母は自分の愛犬以外には冷たく
死が近いのを悟って僕を探す旅に出てそのままのたれ死んだのだろうと聞いた
雪が僕のヒザの上に乗って すーっと消えた
ユキが
雪になって僕に飛び込んできた
ねえお願い!
消えないで
ヒザまで来たのに
ここまで来たのに
目の前で消えないで
いかないで
そばにいて
独りにしないで
でも消えた
降ってきたところにまた戻っても
ユキはもう
飛び込んできてはくれなかった
ユキ
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