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そのまま家に入りかけて
ミルクを買い忘れたのを思い出し
歩いて引き返した
またその帰り道
半ばすぎになって
またユキが
下を見ない
もう下を見ない
白い白いたくさんのユキが
僕に会いにきた
いつまでも
いつまでもこうしていたくて
上を向いて歩いた
ユキ お願いだから
じーっとしてて
動かなくても動いても
それでも
別れがきた
僕のユキ
かけなおしたマフラーが
その時ユキで濡れた
このほんの一夜の出来事を
僕はかみしめて
生きてゆくことに決めたんだ
ああ、ユキそうだよね
僕はこの離れた地でも
決して独りではないんだね
この遠い遠い北の空でも
冬になれば
お前に会える
降る雪は消えても
僕のユキ
ユキや
僕のユキは
消えることはないんだ
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