醤油の女襲来

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『オレはただ読書がぶってぶちたくて・・』 階段を登り切ったところでひどく腹が減ったのでもーどーでもよくなった。 部屋に戻ると彼女はもう食べている。 「早くすわって食べなさいよ」 やれやれ、もういいや。 足を投げ出しどかっと座った。 先に彼女のほうのおひたしに醤油をかける。 彼女はさも当然のように、にこりともせず箸でつまんだ。 彼女はどんな幼稚園に通っていたのだろう。 狼狽は今日だけで何度目になるだろう。 自分のおひたしにもかけた。 つまんで食べる。 (うまいがな) 多少性格に問題はあるが、こう見えて料理の腕はたいしたものなのだ。 うんそう言えばよく見れば綺麗な顔立ち。 思ったより鼻が高い。 鼻先が味噌汁に浸かってやがる。
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