醤油の女襲来

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ぐっと突然彼女が首を上げたので目をそらした。 「よだれでとーよ、よだれ」 ごく常識的な問答で場をとりつくろった。 「んでー終わった~?」 明らかに寝起きのアタマで、どうレポートするつもりなのか? ま~い~や。 脳内メーカーはいかがわしいことでいっぱいながらも箇条書きにしたルーズリーフをもとに教授した。 彼女は珍しく真剣に聴いていた。 そういえばけっこう成績は優秀だと聞いていたが。 どうせ僕に書かせるものだろうとタカをくくっていたが。 これまた意外にも自分で書き始めた。 ただし眠らないよう見張っててと条件つきだが。 僕は頬杖をついて彼女を見つめた。 見張っててと言われたので堂々と見ることができる。 (綺麗な顔だ。) 畜生め。 クラスの男からはどう映るのだろう?
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