序章: -邂逅-

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一部の科学者は、システム管理や更新・地球環境の再生等の為に現実に残っている。 「しかし腹減ったな。たった今腹が鳴ったぞ。 ……そういや今ふと思ったんだが、この世界って実際には存在してないじゃんよ? じゃあ食った飯とか栄養ってどうなってんだ?」 電子世界の中は、デザイナーたちによる都市設計に基づいている。 その都市をイメージとして機械に取り込み、ドリムコントローラを応用してその都市に住んでいるという夢を見せる。 勿論、夢とはいえ自らの意思で行動出来る。 いわゆる明晰夢の状態だ。 「ん?そうだな、確か現実世界のあのカプセル内で十分な栄養供給がされてるらしいぞ。 食べる飯は良く分からんが、満腹感でもくれるんじゃないか?」 そんな中で、人々は人種・宗教・国籍を問わず一緒に暮らしている。 今までは様々な民族や価値観の違う人々が別々に暮らしていたから、戦争という愚かしいことを起こしてしまった。という理念の元にだ。 「ふ~ん。そうなのか。 じゃあさ、それなら何で身長の差とか体型の差があんなに出るんだ?」 その目論みは成功したと言える。 最初こそ戸惑い、今もまだ宗教対立や人種差別が残ってはいるものの、人々は相互理解を深めた。
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