序章: -邂逅-

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更に、互いの文化を分かりあった上に同じ地域に住んでいることで仲間意識も芽生えたのだ。 「それは、脳に関係があるらしい。 詳しい原理は分かってないが、この世界で食べたものを脳が認識して、それに基づいて現実世界の身体が栄養を吸収してるそうだ。 味を感じるのも同じような理由らしいぞ。 だからこの世界で暴飲暴食したら現実で体型に変化が起きて、それが反映されて仮想現実でも体型が変わるわけさ。」 このように生活は大きく変化したが、自然環境の変化だけは全く無かった。 ドリムコントローラは確かに夢を操ることが出来るが、明晰夢の場合のみ夢の世界での存在にある条件がいるのだ。 「へぇ~、ナルホドな。分かりやすい説明をありがとう、ライ。 ん?待てよ、そうか。 それはつまりアレか、この仮想現実で病気になったり死んでしまったりすると、現実でもそうなってるってやつと同じだな。」 『存在の概念情報』とそれを研究者たちは呼んでいる。 噛み砕いて言えば、現実のものをプログラムにするということだ。 直接ドリムコントローラに繋がれているもの――この場合は主に人間だが――以外の物質を明晰夢の中に出現させようとすれば、その概念情報が必要となる。 「あぁ、それも脳の認識が原因で起こる。 分かってくれて俺は嬉しいよ。 以前授業でやってたがな…」
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