序章: -邂逅-

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つまり、現実に存在しないものを仮想現実内に精製することは不可能なのだ。 逆に言えば、ドリムコントローラでただの夢を見せるならば箒やらドラゴンやら魔法やらが飛び交うようなファンタジー世界でも見ることができる。 これは、電子世界内にもドリムコントローラを存在させているのでビジネスとして成り立っていた。 「え?それは真面目に言ってるのか? 俺はこれでも、ちゃんと授業中は起きて聞いてるぞ。 今までにそんなこと聞いた記憶がないんだが…」 現実に存在しないものは明晰夢の中でも存在出来ない。 よって研究者と新たに生まれた地球政府は、課題であった地形や自然環境を一番作りやすく、且つ馴染んでもいる現実世界と同じものにした。 「残念だが、一度となく任務の疲れで寝ていたことがあったぞ。 その中の一回に電子世界の解説ついでにこのことを解説してくれた現代社会の授業があった。」 これにはもう2つ理由がある。 1つは生態系の問題だ。 食肉を取る為には、ドリムコントローラにその生物の概念情報を入力しなければならない。 無論それは現実の生物と変わらないので、その生物の餌が必要だ。 その餌となるものの原料や餌が必要。 と、このようにスパイラルと化してしまうのだ。
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