序章: -邂逅-

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「じゃあよ、じゃあよ。 何かヤバイ味がする物も、美味しいものだと思い込んで食べたら美味く感じるのか?!」 何故核が生み出されなかったかは、先の戦争の結果を考えれば明らかだろう。 それによって、原子力やその他関連技術の平和的有効利用も出来なくなってしまうが、あの悲劇の戦争を繰り返されるよりは、と地球政府全会一致で決定したことだ。 「なるほどな…だがそれはない。 その物の味や何やらの特性とかは、概念情報として書き込まれているからな。 簡単に言えば、現実と全く同じだ。」 では何故飛行機までも作り出されなかったのだろうか? その答えは単純だ。 単に、必要なかったからだ。 「うぅ…俺まだその概念情報ってやつが良く理解出来てないんだが…。 とりあえずそんなことは無いのか。つまらん。」 電子世界において現実世界と最も違うと言っても過言ではない部分。 それは遠距離移動だった。 ドリムコントローラで作り出した世界の中では、同じ世界内に限り空間を繋げることが可能である。 「確かに概念情報の話は理解しにくいと思う。 特にキミのような単細胞な奴にはな。 だけど"つまらん"っていうのは一体何なんだ…。 あえて聞きはしないが。」
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