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「今終わったところか?コウヤ。」
「うわっ!?」
突然掛けられた声に少年は驚きの声をあげた。
バッと声のした方向に振り返ると、そこには少年が1人。
「お、脅かすなよライ…」
「キミが驚きすぎなだけだ。」
コウヤと呼ばれた少年が安堵したような声で文句を言うと、ライと呼ばれた少年がある意味冷徹に言葉を返した。
2人とも、吐く息が白い。
「それに、俺はラインハルトだ。
略すのはあまり好きではないと前から言っている。」
ラインハルトは微妙に不機嫌そうな声をだしてそう言った。
ラインハルトはコウヤと同じ服装の上に、前を閉じずにコートを羽織っている。
コウヤは首にしかアクセサリーを付けていなかったが、ラインハルトは腕や首などにそれなりにアクセサリーを付けていた。
だが、それらはチャラチャラした印象を出すのではなく、考えられた一体感のある配置でむしろ上品さを醸し出している。
身長はコウヤより少し高いので、175cmくらいだろうか。
髪はそれなりに長い銀髪で、1本1本が細く、サラサラしていた。
きっと触り心地は最高だろう。
蒼く鋭い目をしていて、その他の顔のパーツも形が良い。
いわゆるハンサムのど真ん中かも知れない。
「まぁいいじゃねぇかよ、ライ。長くて面倒だしさ…。
それに、それを言うなら俺は風鷺煌哉(カザサギコウヤ)だ。」
「いや、それは日本人の名字だろう。
それともアレか?フルネームで呼ばれたいのかキミは…。」
煌哉の返した半冗談の言葉に、ラインハルトは素早く且つ冷静にツッコミを返す。
「というか、前も同じ問答をしたような気がするのだが…」
「奇遇だなライ、俺もだよ。」
どうやらこの2人、いつもこんな感じらしい。
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