171人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかしだライ、お前何でこんなトコに居るんだ?」
煌哉が問う。
「キミと一緒だよコウヤ。ミッション帰りだ。」
「おぉ、そいつはお互いお疲れさん。」
ラインハルトが返した言葉に、煌哉は労いの言葉を掛ける。
ラインハルトはあぁ、と返事をした後怪訝な顔をして言った。
「それはそうとコウヤ、その頬はどうした?」
「ん?あぁ、コレか。」
頬を触り、手に付いた血を眺めながら煌哉は返答する。
「ま、何だ。ちょっとな…」
それを聞いて、ラインハルトは呆れたような顔をした。
「全くキミという奴は…。
いくら今回のは雑魚だからって、油断するんじゃない。
というか前もあったよな?こういうこと…」
ラインハルトはまだ言葉を続けようとしている。
(ヤバイ…説教されそうだ。)
ラインハルトの態度と言葉の雰囲気で煌哉は直感的にそう思った。
次の展開を予測した煌哉がとった行動は、
「悪い!確かに油断しちまった。
心配かけてスマン!」
とりあえず素直に謝ることだった。
「まぁ、キミのことは信頼してるし特に心配はしてないが、気をつけろよ?
戦いは一瞬の油断が命取りになることもあるんだからな?」
煌哉に多少物言いしようとしていたラインハルトは、先程の言葉を聞いてこれだけにしておいた。
言葉とは裏腹に、実際は煌哉が心配なのである。
その辺りは煌哉も察しているので、
「あぁ、サンキューな。」
と、返しておいた。
最初のコメントを投稿しよう!