第八章

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. . この村には古くからの言い伝えがあった… ―――100年に一度、金の瞳を持つ赤子が村に産まれ落ちるであろう… その赤子は村に災いを招く… もし金眼の赤子が産まれたら… 10歳ニナル時ト共ニ… 山神ノ社ニテ自ラノ手デ命ヲ絶ツベシ… さもなくばこの村は滅び逝く運命である… 絶幸がこの世に生を受けてから9年… 「近寄るな化け物!!」 「もうすぐお前は死ぬんだよ!!」 「さっさとくたばれ!!」 村の子供たちが絶幸を見るたびに石を投げては蔑みの言葉を投げかける… だが絶幸にはもぅ慣れた事だ… 自分が今まで生かされてきたのは村のためだということも知っていた… 3日後には山神の社に行かなければならない身だということも… 「母さん?今帰ったよ…」 村はずれの家に帰ると絶幸は母に声をかけた。 「………。」 「母さん、今日は川で魚採ってきたんだ…(笑) 今夕飯作るからまって「…そうやって笑って食べ物なんかを持ってくれば喜ぶとでも思ってるの?」」 女は叫ぶなり近くにあった茶碗を力一杯絶幸に投げつけた。 茶碗は絶幸の顔横の壁にあたり砕けた破片が絶幸の頬を掠めた… 「!!痛っ………」 .. 「私の望みはあんたが私の前から… 私の生活からキレイに消えてくれることよ!! この化け物!!」 絶幸は俯いたままただ突っ立っていた。
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