第八章

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. . ……3日後 「さっさと行け!!」 絶幸は白装束に裸足という格好で山神の社への道の前に立つ。 後ろには母、村長、そして何人かの村の男たちが絶幸が逃げないようにと見張っている。 村長が急かすだけで他の誰も絶幸に声をかけようとはしない… 母にいたっては眼を合わせようとさえしない… 「(逃げる気なんてないのに… ってか生きててもしょうがないし…)」 絶幸は振り替えることなく社への道を歩き出した。 どれくらい歩いただろう… 裸足の足は血だらけになりもぅ痛みさえも感じなくなっている。 絶幸は後ろを振り替えった。 さすがに村人の姿は見当たらない… 日が暮れかかった道は暗く絶幸は初めて死への恐怖を感じた。 ――何故自分ガ死ナナケレバナラナイ… コノママ逃ゲテシマオウカ… しかしそんな恐怖も考えもすぐに消えてしまう… ――生キテテ何ニナル? 俺ハ死ンデコソ意味ガアルンダカラ… 絶幸の金色の瞳はもぅなにも映さない… ただひたすら山神の社へと足を進めた。
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