告白したら負け

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「えとさ、プリントの代わりにさっきのノート貸してくれない?」 無駄に綺麗な字で書いててよかった。 私は心の中でガッツポーズした。 「いいよ!」 今度は飛び切りスマイル(0円)で言った。 早川くんも爽やかな笑顔でありがとうと言って私から世界史のノートを受け取り席へ戻っていった。 これを機に早川くんと仲良くなれる! 私は恥ずかしくなるくらい自分の都合のいい妄想を膨らませつつ休み時間を過ごした。 顔はニヤけっぱなしだったに違いない。 恥をしのんで赤の下着を着た甲斐があったというものだ。 しかし、その後すぐに人生いいことばかりではないことを思い知らされるときがやってきた。 体育の時間は昼休みの後。 ということは昼休みにご飯を食べた後教室で着替えるわけです。 もちろん昼休みだから着替えたあとの余った時間で雑談が始まる。 そのとき、もちろん予想通りの言葉が出てきた。 「結の下着赤?ハデすぎ!」 友達の1人が笑いながら私の胸を指差して言った。 もちろん覚悟の上、私は今日の占いのことを話し、そのおかげで早川くんと話せたことを自慢してやった。 早川くんに色仕掛けを仕掛けようとしていることまでは話せなかった。 具体的にどうするか考えてないから。 しかし残念ながら私と同じことを考えている女がいた。 「てか、美華とか紫じゃん!」 別の友達が美華を指差した。 着替えるときは自分の着替えを隠すのに夢中で気付かなかったけど、美華の体操服はうっすら紫色に染まっている。 美華は体操着をちょっとめくって見せてくれたが、 明らかに体育の時間に着てくるのは明らかに間違っているすごいヤツ。 上の方はなんとシースルー。 私は絶対に買えない。 友達がなんで着てきたのかをたずねると美華は自信満々に答えた。 「これで早川くんにアピールするの!」 負けた。
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