恋はゲーム

2/6
1225人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「先輩!第2ボタンください!」 「わたしも!」 「私にください!」 「いや、私に」 …………… 卒業式の帰りは大変だった。 サッカー部の友達と帰る途中に待ち伏せていた後輩20人くらいが一気に押し寄せボタンくださいコール。 しかしボタンはすでにクラスの女にあげてしまった。 だったら他のボタンをと瞬く間に俺のボタンは売切れおまけに学ランまで奪われてしまった。 「はっくしょん!」 学ランを奪われシャツ1枚の俺はちょっと強い風が吹いただけで寒い。 「モテ男は大変だな」 隣の友達はニヤニヤしながら見ている。 俺ははっきり言ってモテる。 顔もその辺のやつよりはマシだと思うしサッカー部ではキャプテンだったし勉強だって学年でトップだった。 これでモテないなら相当性格の悪い捻くれ者だ。 でも今は彼女がいない。 理由は受験。 部活を引退した後は勉強に専念するため彼女と別れ10件近い告白を断ってきた。 お陰で受験は成功。 晴れてトップの公立高校に受かった。 あ、高校の制服も学ランだったな………学ラン取り返さなきゃ。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!