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彼女はすぐに目をそらし前を向いた。
俺も席に着く。
さっきの女はやはり担任らしく、名前は大野あかねと言うらしい。
そのあとすぐに廊下に整列、体育館へ移動し、退屈な入学式が始まった。
この日はそれで解散。
友達は出来なかった。
何日か経つと友達も出来てクラスはいくつかのグループに別れてきた。
この日、俺は席が隣の中村将也(なかむらまさや)と一緒に他のクラスの女の子を調査しに行った。
「あのコかわいくね?」
そういいながら将也が窓越しに指差す女の子はどれもかわいいにはかわいいがやっぱり俺のクラスのあのコには敵わなかった。
「いやあ、やっぱり2組の桐島さんが1番だな」
教室へ帰る途中に将也が言った。
2組は俺のクラス。
桐島結は俺と目があったあの女の子だ。
どうやら将也にとっても学年トップの女は桐島結のようだ。
するとどうにも頭には桐島結のことしか浮かばなくなった。
隣で将也が何か言ってるが頭に入らない。
「宮崎あおいもいいよな」
将也が言う。
あおい?蒼井そらかな、AVの話か?
とりあえず相槌を打っておく。
上の空のまま将也と話しながら2組の教室に戻ると窓際に男が20人近くたかっていた。
なんだあれ?
俺と将也が人込みを掻き分け教室に入ろうとしたとき、1人の男が言った。
「あれが桐島さん?超かわいいじゃん」
しばらく立って話を盗み聞きしていると、どうやら他のクラスに桐島結の噂が流れているらしい。
なぜだか妙にくやしくなって肩がぶつかっても謝らないでやった。
その桐島結は窓から覗く男には目もくれず友達数人と談笑していた。
笑うと目尻にシワができてさらにかわいい。
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