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それは、5年前の夏。
僕らは、高校生活最後の夏休みを楽しんでいた。
ある日、僕達は青々とした葉をつけている桜の木下に集まり話していた。
『悠揮は進路決まった?』『まだなんだ。そういう美優は?』
『あたしも、まだ。多香子は?』
『私は、大学にした。仁は?』
『僕は、専門に行く』
と進路の事を話していた。
元々、僕らは小学生からの仲で、時には励まし、時には一緒に笑い、そして、一緒に泣き、気がつけば、いつも一緒に居た。
『そういえば、ちょっと早いけど、卒業式の後、どうする?』と悠揮は話を切り出した。
『そっか、もうすぐ、私達バラバラになっちゃうもんね』と多香子が言うと、
『じゃあ、卒業式が終わったら、またここに集合しない?』と悠揮は言った。
『それいい!』と美優と仁は声を揃えて言うと、悠揮が『じゃあ、決まり。ひとまず今日は解散だね』と言った。
他の3人も、悠揮に同じ意見だったので、皆それぞれの家に帰って行った。
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