act.10//:大好きな人の手を離さない

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        日向「泣きそうな声で 言うからさ、 俺じゃないって…わかっ…」         涙が止まる事を知らずに、 流れていく。         アイツの前では泣かない様に 必死に耐えていたから。         日向「アイツに辛い思いさせたくなかったから… 俺、海斗でしょ? って聞いてさ、 莉緒何度も謝るから… 俺、辛くてさ… 笑ってるのに精一杯でっ…」       僚平「日向、いいよ」     俺の言葉を止めたのは、 僚平の優しい声。       僚平「分かったから… よく頑張ったね、日向」       日向「っ…」     僚平「莉緒ちゃんの前で泣かなかったの偉かったよ、日向」       俺は、僚平の肩で 小さく頷いた。       よかった、コイツが いてくれて。       僚平「俺さぁ、思うんだけど」     日向「な、に?」     僚平「恋人って、もしかしたらいつか終わりが来るかもしれないでしょ? でも、幼馴染みはずっと幼馴染みだからさ。」       俺は、僚平の言いたい事が 伝わって、そっと微笑んだ。       日向「そうだな」        
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