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此処ではない何処か
自分ではない誰か
私の想いは溶けてしまい
形もなく
留まりもせず
陸に憧れ空を飛ぼうとしたけれど
尾鰭は擦り切れ
呼吸もできず
鱗も剥がされ血を流す
躯中に蓄えてつなぎ止めた
海の記憶…
それを全て失った時
雌の性を認め
女になってしまうのだろうか
人間になりたかった筈なのに…
今は何の証も残っていない
その事実があったのかも…
蜃気楼の彼方
海の底…
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