慟哭

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海が溢れ出る 止まらない どうして今頃… おまえは溶けて私になったはず わたしの血となり骨となり私の吐息になっなはず また還れというのか あの海へ 生暖かく それでいて息も出来ない 眠るだけのあの海へ 陸での居場所を見つけたのだから もう泳ぐ為の鱗も尾鰭も棄てたのだから… それでも波間に光る青い記憶を見つけるたびに 貝になり沈みゆくのを願ってしまう 海の底で物言わぬ貝に なんで…
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