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躯に金の鱗をはりつけ
銀の尾鰭の足枷をして
あの場所に辿り着く
切り取られた空間に
光は届かず
音もなく
時間さえも滞る
その全てに接吻し終わる頃
鱗は剥がされ
尾鰭は二つに裂かれ
吐息が泡となり
水面へと昇りゆく
まだ…いかないで…
躯中の息が無くなり
海が見えた後
深い眠りに付き再生を待つ
入り込んだわずかな砂が幾重にも折り重なり
堅くなるのを感じるだけ
それは…見せてはいけない涙…
流しても
決して真珠になんかならない事を
私は知っている
だから私は泣かない
もっと…そばにいたい
このままずっと…
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