海に還る

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海の記憶は何処までも 私の記憶を縛りつけ 己が身に 振り下ろされし鞭跡の 傷を舐め噛み戒める 流れる血さえ望んでしまう 海に還る事を望んでしまう… 今は何が欲しいのか解らない… ひとつひとつ口づけした おまえの躯の記憶さえ 形を保つは難しく 欠片が波間に漂い消える そこにあったはずなのに… 忘れていく? むり
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