第2章 一昨年の10月

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第2章 一昨年の10月

4月に進級して2年6組である。 今回は、あぁ、1年の時、円花とは違うクラスだったが、今回は同じクラスである。洋とも純とも同じである。10月8日は俺の誕生日である。で、10月はもう一つある。 母、絵里の命日である。 母は昔から体が弱く、風邪をこじらせて死んだのだった。 アホな死に方だと、思うだろう?中学2年の俺には脳梗塞で死んだと告げられた。不思議に思い、葬式の資料をあさったら、死因風邪、と記されていた。・・。少し気を使ってくれた父を尊敬した俺はおかしいだろうか? まぁ、おかしいだろう。ちゃんとしたことを伝えない父を尊敬する奴は俺以外に居ないだろう。 10月23日、母の命日。・・テストの日だった。 でも、ほうじに行きたくなかった。悲しい。寂しい。つらい・・その中のどれにもあてなまらない「痛い」という感じだった。心が痛んでなく、頭が痛い。何故かは知らん。俺は寺ではなくて公園へ行く。 逃げた。寺なんかお香がたいてあって余計気持ち悪くなるだけである。ブランコをこぐ。鉄を触って冷たくなった手をおでこにあてる。少し気持ちが良いのであった。
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