悲劇は放課後

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「いってきまーす」 俺は笑顔で手を振る。 そして、梨恵も笑顔を返し手を振る。 「いってらっしゃい」 その数分前、梨恵に何点かの注意事項を言った。 俺が家を出たら、玄関の鍵を掛ける事 2階の部屋から見える車庫に、車が入って来た場合は部屋に閉じ篭りトイレ以外は出ない事 そして、何かあればスグにメールをする事 窮屈に思うかもしれない、 息苦しく思うかもしれない、 そう思うと梨恵の顔が見れなかったが、恐る恐る彼女の顔を見ると…… 「分かった」 と、笑顔で答えてくれた。 それを見て、安心して学校に行けた。 イヤ。 安心なんか出来る筈がな い。 学校に行けばまた…… イジメられる。 しかし、昨日とは違う。 「俺が君を守るから」 梨恵に宣言した言葉を『デタラメ』にしたくない。 そう思うと、何故か前を向き歩けた。
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