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それからの時間は生きた心地がしなかった。
しかし、予想に反して啓太は仲間と楽しそうに過ごしていて何かをしてくる様子は無い。
それが逆に、恐かった。
最後のチャイムが鳴り、2階の教室から出て、1階の下駄箱で靴を履き外に出た。その日は何事も無く終わった。
……かのように思えたが、悲劇は突然やってきた。
『ガッシャー』
その音と共に、血の気が引いていくのが自分で分かった。
その音の正体は、目の前にかなりの高さから落とされた椅子がコンクリートに当たりバラバラになる音だった。
破片が足に当たったが、痛みを感じない程に動揺している。
直接当たっていれば重傷は免れなかっただろう。
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