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確かあの時は…親が今までみたことないくらいすごいケンカをしていた時で、子供ながらにいつものケンカとは違うというのがわかったのだろう。
すごく怖くなって『紗織』の部屋まで走って行ったのを覚えている。
あの時なぜか『紗織』の顔を見た瞬間涙が止まらなくなり『紗織』の前でずっと泣いていた。
今思うとあの時から『紗織』は今みたいな感じになっていったような感じがする。
『ハァ…ハァ…やっとついた!そういえば雄樹!ハァ…進路のやつもう決めたの?』
『ハァ…ハァ…ハァ…ん…まだ…ハァ…決めてない…ハァ…』
『ハァ…ふぅ~、なんで女の私より雄樹のほうが疲れてんのよ!』
『いやいや…ハァ…ハァ…男女差別は…ハァ…ハァ…やめようぜ…ハァ…』
『もう!それより早く進路決めないと間に合わないよ!』
『ハァ…ハァ…ふぅ~、わかってるよ…。紗織はもう決めたの?』
『私も…まだだけど…。それより!雄樹は選べるほど頭よくないんだから早く決めなさいよ!』
『ヒデぇ~…紗織だってまだのくせによくそこまで言えるな…。』
などと言い合いをしながら教室に向かっていると
『また痴話げんかか?朝からイチャイチャするなよな。』
とまわりの冷やかしがはいったので慌てて会話をやめた。
『別にイチャイチャしてねーよ!それより進路のやつもう決めた?』
『おう!〇〇高第1希望にした。雄樹は?』
『まだ。でもお前が行くなら俺もそこにしようかな。』
『紗織と一緒のとこじゃなくていいのかよ?はははっ』
『なんでだよ!それよりお前の頭でそこいけんの?』
『お前に言われたくね~よ!雄樹こそ無理じゃね?』
言い返そうとしたが確かにその通りだ…。
実は進路を決めれないのには訳がある。特に行きたい高校がないからだ。
まぁ~頭がよくないので選べるほどないというのが現実だが…。
近くにある△△高校は偏差値が高いのでまず無理!
あとは全部電車かバスで通うことになるので正直どこでもいい。
となるとホントに友達で選ぶのもアリかなと思った。
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