5人が本棚に入れています
本棚に追加
『………ということで、まだ進路希望だしてないやつは明日までにだすように!あと家でも勉強しろよ!気を緩めると受かるとこも受からないからな!』
などと担任の聞き飽きたセリフで今日も学校が終わる。
そして早々と帰ろうとする俺を呼び止める声
『雄樹待ってよ!朝は遅いくせに帰りは早いんだから!』
わざと置いていこうとしてるとは言えず
『紗織が遅いんだろ。早くしろよ。』
と結局一緒に帰ることになる。
『進路明日までだってよ。もう決めた?』
『ん…〇〇高校にいくことにした。』
『〇〇高校ね!ん~わかった!でも雄樹にはちょっときびしいんじゃない?』
『わかった!ってなにが?てかお前までそんなこというなよ!今からがんばればなんとかなるさ!』
『ん~雄樹はやればできると思うけど…でも心配だから勉強教えてあげようか?』
『別にいいよ!紗織も決まってないって言ってたけどどうすんの?』
『私は…親が△△高校にいけって言うんだけど、でもまだ迷い中!別のとこいくかも!』
『紗織は頭いいからね。どこでもいけるだろーな。で、別のとこってどこ?』
『なんでイチイチ雄樹に教えなきゃならないのよ!秘密に決まってるでしょ!』
『はぁ!?別に聞きたくもないけど、俺の聞いといて自分のは秘密ってありえなくない?!』
『自分が言うからでしょ。私は言いたくないから秘密!』
『コイツ…絶対次なんか聞かれれてもはなさねーからな!』
『別に聞きたいこともないし。』
『ぐぬ…!』
いつも口げんかになるとこんな感じで最終的に俺が負けて終わる。
ケンカをしながら歩いているといつの間にか家の前まできていた。
『じゃあまた明日ね!』
『たまには一人でいけば?』
『なんでよ!いつも迎えにいってあげてるのに!明日はちゃんと起きててよ!』
『…あ~い…』
すごい勢いで怒りながらも明日もくるという『紗織』がすごいと思った。
いくら幼馴染みとはいえ、まわりの反応が気にならないのだろうか…。と思いつつ結局流されるだけの俺がいる。
最初のコメントを投稿しよう!