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「何してんの?」
驚いた。こんな時間に…男に声を掛けられなんて、女の子に逆ナンされ方が良いのに。
「空見てんだ」
「…俺も、さっきまで見てた」
まぁ、そんな事どうでもいい。早く家に帰らないと、あいつらが待ってるな。
「名前なんて言うの?」
「直樹、あんたは?」
「俺?…俺は紘平」
またっと言って手を振られた。こうへい?どこかで聞いたことがあるんだけど思い出せない。何故か懐かしく?感じがするんだけど…。
またって言ってたし、また逢えたら聞いてみればいいし。
多分、俺の帰りが遅いから心配している圭(けい)と呆れ顔の莉華(りか)がご立腹で玄関で仁王立ちしているに違いない。その美人を台無しにして崩れている顔を想像するだけでうける~。
空を見上げて、目の閉じる。瞼の裏には何もない真っ暗な世界。
母さん、父さん
俺は姉貴と弟に心配ばかりかける駄目な奴だけど、俺は今あの2人だけ居れば幸せです。
それ以上何も望みません。
だから、この少しでもながく幸せに。この時間が続きますように。
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