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「瀬戸紘平じゃん!」
「カッコカワ~」
自分の名前を呼ばれて反射的に振り返りそうになったのを誤魔化す様に頭を振った。
彼女らは、ポスターの前で瀬戸紘平が主演の映画『飛雲』の広告ポスターを眺めながら談話していた。
ここに本人にが居ることなど知らず話し続けている女子高生を横目で見て帽子を深く被り足早にそこを通り過ぎた。
終電2、3本前の電車だからだろうか少し車内が混み合っている。
ぼっーと流れ行く風景を見つめていた。
「〇×駅~、〇×駅~」
新人なのだろか声が生き生きしているというか若さを感じる声だなっと、どうでもいいことを考えていた。
俺の目の前をおばあさんが重たそうな荷物を持っている。
「お持ちしましょうか?」
「結構です」
トゲトゲしい口調でキッパリと断れた。このご時世だから仕方ないとは思うがなんだか寂しさを感じると友達に話したらジジィくさいと言われたことを思い出した。
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