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「もう、ちゃんと仕事に集中してください!」
「は~い」
ずり落ちそうになるザマス眼鏡を掛け直しながら高い声を出すマネージャーに適当に返事した。
直樹のことが気になって気になって仕事に集中できなくなっていた。仕事の合間に何度もあの公園に行ってみたりしたけれど、あの夜からもう1ヵ月…経ったけど、逢えないんだけどー!
「紘平くんたら、恋する乙女みたいな顔しちゃって(笑)」
「うわぁ、どこから!?」
「何その沸いて出てきたみたいな言い方!」
失礼ねっと言って不機嫌になった津島(つしま)の横顔を見た。台本と今撮影しているシーンを真剣に見ている津島は演技に余念がない。
津島…美海(みう)だったかな?まぁ、いっか。津島は俺と同い年でこの芸能界に自分の力で上に来た、相当な実力派だ。俺といえば親の七光りのおかげでだ…。
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