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「見てはいないって言ったでしょ!・・・ちょっと聞こえただけよ。」
アヤはらんらんと目を輝かせて私の顔を覗き込んだ。
「それってそれって『花一匁』??
今噂になってるやつじゃん!!さっすが霊感少女♪」
「あんまり大きい声ださないで!」
アヤを宥めるも時すでに遅し。
クラスメイトたちがわさわさとたかりだした。
このクラス・・・いやここらで暮らしている人には私はなかなか有名なのだ。
霊の声を聞き、姿を見る霊感少女として。
「灰空さん『花一匁』聞いたの?!」
「やっぱ噂は本当だったんだ!」
「ニュースでやってる行方不明事件!あれやっぱ『花一匁』なんだろ?」
確かに!確かに変なものは見えるけど・・・でも私はそれだけなの!!
みんなの期待するようなことなんてないんだから!
「はいはい、次の授業はじまるわよ~。」
アヤが私に気付いて制止した。
こんな時、すごく頼りになる。
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