第一話   花一匁

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「見てはいないって言ったでしょ!・・・ちょっと聞こえただけよ。」 アヤはらんらんと目を輝かせて私の顔を覗き込んだ。 「それってそれって『花一匁』?? 今噂になってるやつじゃん!!さっすが霊感少女♪」 「あんまり大きい声ださないで!」 アヤを宥めるも時すでに遅し。 クラスメイトたちがわさわさとたかりだした。 このクラス・・・いやここらで暮らしている人には私はなかなか有名なのだ。 霊の声を聞き、姿を見る霊感少女として。 「灰空さん『花一匁』聞いたの?!」 「やっぱ噂は本当だったんだ!」 「ニュースでやってる行方不明事件!あれやっぱ『花一匁』なんだろ?」   確かに!確かに変なものは見えるけど・・・でも私はそれだけなの!! みんなの期待するようなことなんてないんだから!   「はいはい、次の授業はじまるわよ~。」 アヤが私に気付いて制止した。 こんな時、すごく頼りになる。
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