38人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ放課後話聞かせてよ!」
メンバーの中で特に気の強いメグミがアヤごしに言った。
アヤはすっと笑ってメグミの頭を撫でた。
「ざーんねんでした。こすずは放課後私とバッチ屋さんにいくの。」
そんな約束してたっけ?
ちらりとアヤを見やるとアヤはにいっと笑った。
ありがとう、アヤ。
日が傾き、生徒達が学校からぽつぽつ消えていった。
あのこじゃわからん
このこがほしい
なんだか聞き覚えがある。
だれだっけ?
まけてくやしいはないちもんめ
ゆ・・・
『ソンナ仔ワスレチャイナヨ』
頭に刻まれた文字が強く記憶を抑制した。
誰?
「ちょっとこすず!早く準備してよーバッチ屋さんしまっちゃう!!」
アヤが帰りの支度を促した。
「ほんとにいくんだ?」
「あたりまえでしょ。すっごくいーバッチがあるのよ♪」
バッチ・・・光ものに目が無い私には涎ものだ。
傾きを変えて光彩を楽しんだり、適度な重みを手のひらでつつんだり、ひんやりした装飾の金属や宝石を頬に当てたり・・・あぁ楽しみだ。
どんなのがあるのかな。
わたしは素早く支度をおわらせた。
最初のコメントを投稿しよう!