第一話   花一匁

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「じゃあ放課後話聞かせてよ!」 メンバーの中で特に気の強いメグミがアヤごしに言った。 アヤはすっと笑ってメグミの頭を撫でた。 「ざーんねんでした。こすずは放課後私とバッチ屋さんにいくの。」   そんな約束してたっけ? ちらりとアヤを見やるとアヤはにいっと笑った。 ありがとう、アヤ。       日が傾き、生徒達が学校からぽつぽつ消えていった。     あのこじゃわからん     このこがほしい       なんだか聞き覚えがある。 だれだっけ?       まけてくやしいはないちもんめ           ゆ・・・           『ソンナ仔ワスレチャイナヨ』     頭に刻まれた文字が強く記憶を抑制した。 誰?   「ちょっとこすず!早く準備してよーバッチ屋さんしまっちゃう!!」 アヤが帰りの支度を促した。 「ほんとにいくんだ?」 「あたりまえでしょ。すっごくいーバッチがあるのよ♪」 バッチ・・・光ものに目が無い私には涎ものだ。 傾きを変えて光彩を楽しんだり、適度な重みを手のひらでつつんだり、ひんやりした装飾の金属や宝石を頬に当てたり・・・あぁ楽しみだ。 どんなのがあるのかな。 わたしは素早く支度をおわらせた。image=46180175.jpg
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