第一話   花一匁

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「ただし」 マルゥが私の目を覗き込んだ。 「仕事を手伝ってもらうけど。」 柔らかな微笑み。 一見天使のような笑顔。 条件だって大したことではない。     だがどうしても体の奥から冷たくどろどろした恐怖が沸き上がる。 警鐘が鳴る。     これは・・・契約だ。   約束じゃない。       確証はないけど彼女の正体が、よぎる。       返事に迷っていると、アヤがマルゥの手を取った。 そうだ、アヤは大のオカルト好きだった。 「おもしろそう、やるよ!もちろんこすずもやるよね?」 アヤは満面の笑顔で同意を求めた。 私、これに弱いんだよなぁ。 私は力なく首をたてに振った。     マルゥの優しい笑顔が、あどけない言葉が・・・私の恐怖をかりたてた。     警鐘がなりやまない。 近づいちゃダメだと何かが叫ぶ。 きっとアヤがいなくても私はこの警鐘に逆らっていただろう。       悪魔の契約・・・ きっとこの感覚はそれを結ぶときに感じるものだ。   魅力的な恐怖が体の内側を逆撫でしていった。image=49080192.jpg
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