第二話『落ちこぼれのハルト』

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「攻撃、風の弾丸」 先生の周囲に、凝縮された空気の塊が発生する。数は3、大きさは野球ボール程度。 それがルナに向かって放たれた。ルナは一歩も動かない。 ルナの周囲には土煙が漂った。 直撃したと思われた。生徒も悲鳴か歓声かわからないような声を上げている。 ハルトは目を見開き、愕然としている。リーヤがそっと囁く。 「大丈夫だよ」 ハルトはリーヤを見た。リーヤは続ける。 「1億の賞金首ってのは伊達じゃない」 そう言われ、ハルトはルナがいた場所を見た。 一陣の風が土煙を吹き飛ばしていく。 そこに存在した影に誰もが驚いた。 「この程度の魔法で、人は死なない」 ルナが悠然と立っている。先生がその場に座り込んでしまった。ルナは先生との距離を詰めていく。 「何をした」 先生は震えながら尋ねた。 「あなたの魔力が低すぎて、私に魔法が届かなかった」 「そんな…」 「これで終わりにする」 ルナが踏み出した一歩に、先生は声を発する。 「ま、待ってくれ」 先生の悲願はルナに届かなかった。 ルナは詠唱を始めた。 「攻撃、風の剣」 ルナの左手に風で作られた、剣が出現する。 剣を振りかざし、先生目掛けて切り掛かった。 だが、それは命中することはなく、顔の左側を通過した。 ルナはわざと外した。
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