第一話『一億の魔法使い』

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「ねぇルナ~」 少女の左肩から声が聞こえる。人形に羽が生えたような物体が少女に話しかけている。 「お腹すいたよ~」 腹部を押さえながらそれは言った。ルナは返事をする。 「リーヤ、『時の歪み』の住人は食事は必要無いんじゃなかった?」 「気分の問題なの。こないだルナが倒した賞金稼ぎも、ろくな食料を持ってなかったし」 リーヤはそう言って、ルナの肩から離れ、ルナの周りを飛び回る。リーヤの性別は、自称『チョー可愛い女の子』。ルナはこの自称に、『食い意地の張った』を付け加えている。 「ルナが政府に捕まれば、1億円が手に入るのになぁ」 「そんなことありえないけど」 ルナの首には15歳とは思えない賞金が掛かっている。何故15歳の少女に賞金が掛かっているのかは、後々知ることになる。 二人?が歩いていると、街が見えた。田舎だが大きな街だ。 リーヤがはしゃぎ始めた。 「街だぁ。見てルナ。街だよ。久しぶりの街だねぇ~。街に着いたら何を食べようかな」 そんなことは気にせず、ルナは黙って街を目指す。 ルナはリーヤに聞いた。 「あの街ではあの人の手掛かりが見つかるかな?」 「どうだろうね。行ってみればわかるよ」 リーヤの笑顔がルナに向けられる。 「そうだよね」 ルナはローブのフードを被り、進む。
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