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「ねぇルナ~」
少女の左肩から声が聞こえる。人形に羽が生えたような物体が少女に話しかけている。
「お腹すいたよ~」
腹部を押さえながらそれは言った。ルナは返事をする。
「リーヤ、『時の歪み』の住人は食事は必要無いんじゃなかった?」
「気分の問題なの。こないだルナが倒した賞金稼ぎも、ろくな食料を持ってなかったし」
リーヤはそう言って、ルナの肩から離れ、ルナの周りを飛び回る。リーヤの性別は、自称『チョー可愛い女の子』。ルナはこの自称に、『食い意地の張った』を付け加えている。
「ルナが政府に捕まれば、1億円が手に入るのになぁ」
「そんなことありえないけど」
ルナの首には15歳とは思えない賞金が掛かっている。何故15歳の少女に賞金が掛かっているのかは、後々知ることになる。
二人?が歩いていると、街が見えた。田舎だが大きな街だ。
リーヤがはしゃぎ始めた。
「街だぁ。見てルナ。街だよ。久しぶりの街だねぇ~。街に着いたら何を食べようかな」
そんなことは気にせず、ルナは黙って街を目指す。
ルナはリーヤに聞いた。
「あの街ではあの人の手掛かりが見つかるかな?」
「どうだろうね。行ってみればわかるよ」
リーヤの笑顔がルナに向けられる。
「そうだよね」
ルナはローブのフードを被り、進む。
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