第二話『落ちこぼれのハルト』

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サクーフという街の魔法学校の授業。 何人もの生徒が年老いた先生の話を聞いている。 「魔法は十の属性に分類されます。炎、水、風、雷、土、木、氷、光、闇、無です。ここまでは知っていますね?」 「はい」 生徒は声を揃えて返事をした。先生は一度頷き、授業を進める。 「魔法を使う前は、精神を安定させなければなりません。これもわかっていますね?」 生徒達の机の間をゆっくりと歩きながら言った。 「はい」 生徒達は再び声を揃えた。 先生は手を2回叩いて言った。 「それでは今日は炎の魔法を練習します。みなさん外に出ましょう」 机と椅子の音をたて、皆が外に出ていく。 その頃… ローブを纏った女と、羽が生えた人形のようなものが、人が行き交う中を歩いていた。 人形が口を開いた。 「このサクーフって街、おいしそうな食べ物がないわね~」 人形は不満気に女に話し掛ける。 「リーヤ…たまには魔法書でも読んでなよ。暫くは食べ物の事を忘れられるかもしれないよ?」 「嫌!あんな本なんか燃えてしまえばいいのよ」 リーヤはルナに怒鳴った。リーヤいわく、『文字だけの本は燃えればいい』らしい。 ルナはリーヤに聞こえないように呟いた。 「バカ精霊」 その時リーヤはケーキ屋の方をじっと見ていた。
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