第二話『落ちこぼれのハルト』

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ルナとリーヤは街の噴水に腰掛けていた。リーヤが、お腹空いたよと何度も繰り返し言っているが、ルナは無視している。リーヤは苛立ち、猛スピードで辺りを飛び回る。ルナはため息をつき、リーヤを止めようした。 男が一人走って来た。右手に何冊かの本を持ち、息を切らしている。年はルナと同じくらいだろう。ルナがリーヤを止める前に、男の胸部にリーヤが衝突し、倒れた。男の本がばらまかれた。 「いててて」 男が地面に手を付きながら言った。リーヤは目を回している。ルナが男の側に寄り、しゃがみ声を掛けた。 「大丈夫?」 男はルナの顔を見て頷いた。ルナは落ちた本を拾い、渡し、再び詫びた。 「ごめん。うちの精霊が迷惑かけて」 「気にしなくていいよ」 男は微笑んだ。服に付いた土埃をはらい、ルナ達に話し掛けた。 「始めて見る顔だね。旅人さんかな?」 「そうよ。あんたぶつかったお詫びに何か奢りなさいよ!」 リーヤが偉そうに指差して言った。ルナはリーヤの頭にチョップをくらわせた。 「おもしろい精霊だね」 「あんた精霊を知ってるの!?」 リーヤが驚き男に聞いた。 「僕も魔法使いだからね。落ちこぼれだけど」 男は苦笑した。 「そういえば自己紹介がまだだったね。僕の名前はハルト。よろしく」 ハルトは二人の名を尋ねた。
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