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男の問いにリーヤが答えた。
「あたしがチョー可愛い精霊のリーヤ。んでそっちの女の子がルナ」
「リーヤにルナだね……ん?」
少しの間を空け、ハルトはルナに尋ねた。
「ルナ……どこかで僕と会ったことある?」
ルナは答えた。
「いいえ。初対面よ」
「そっか。気のせいかな」
首を傾げたハルトは自分の腕時計を見て、驚愕した。
「うわぁ!大変だ!もう授業が終わっちゃうよ」
ハルトはあわてふためいている。ルナとリーヤはその様子を黙って見ていた。リーヤはハルトに尋ねた。
「授業って?」
「僕この街の魔法学校に通ってるんだ。少しでも多くの魔法を使えるようになるためにね」
ルナはリーヤに言ってやった。
「この努力を少しは見習えばいいのに」
「なによ。あたしだってたまには仕事してるじゃない」
ルナはリーヤを無視してハルトに言った。
「急いだ方がいいんじゃない?」
ハルトは少し涙目になり言った。
「ここから学校まで20分、授業の残り時間が20分だから間に合わないよ~」
ハルトはその場に座り込んでしまった。
「どうしよう。今度無断休校したら、学校を辞めさせられちゃうよ」
ハルトは頭を抱え込んだ。リーヤはルナに言った。
「なんだか見てられないわね」
ルナは黙っている。
「助けてあげたら?」
ルナは短くため息をついた。
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