第二話『落ちこぼれのハルト』

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男の問いにリーヤが答えた。 「あたしがチョー可愛い精霊のリーヤ。んでそっちの女の子がルナ」 「リーヤにルナだね……ん?」 少しの間を空け、ハルトはルナに尋ねた。 「ルナ……どこかで僕と会ったことある?」 ルナは答えた。 「いいえ。初対面よ」 「そっか。気のせいかな」 首を傾げたハルトは自分の腕時計を見て、驚愕した。 「うわぁ!大変だ!もう授業が終わっちゃうよ」 ハルトはあわてふためいている。ルナとリーヤはその様子を黙って見ていた。リーヤはハルトに尋ねた。 「授業って?」 「僕この街の魔法学校に通ってるんだ。少しでも多くの魔法を使えるようになるためにね」 ルナはリーヤに言ってやった。 「この努力を少しは見習えばいいのに」 「なによ。あたしだってたまには仕事してるじゃない」 ルナはリーヤを無視してハルトに言った。 「急いだ方がいいんじゃない?」 ハルトは少し涙目になり言った。 「ここから学校まで20分、授業の残り時間が20分だから間に合わないよ~」 ハルトはその場に座り込んでしまった。 「どうしよう。今度無断休校したら、学校を辞めさせられちゃうよ」 ハルトは頭を抱え込んだ。リーヤはルナに言った。 「なんだか見てられないわね」 ルナは黙っている。 「助けてあげたら?」 ルナは短くため息をついた。
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