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「ありがとうルナ」
ハルトは笑顔で礼を言った。ルナはハルトに言った。
「別にいいよ。遅刻しないようにしたいなら、少し風の魔法を覚えた方がいいと思う」
ハルトはその言葉を聞き、申し訳なさそうに頭を掻いた。
リーヤがハルトに言う。
「早く行ったら?授業終わっちゃうよ?」
「そうだね。それじゃ」
軽く手を振り、ハルトは学校の敷地に入る。
「行こっか」
リーヤはルナに言い、二人が去ろうとした時、校門をくぐったばかりのハルトが振り向き、ルナとリーヤを呼び止めた。
「ねぇ、よかったら授業を見学していかない?」
ルナは何も言わず黙っていたが、リーヤはおもしろそうと、ハルトについて行った。ルナはその後をついて行く。
ハルトについて行き、辿りついた場所は校庭。
そこには何人もの生徒がいた。先生が指示をしながら生徒を見守っている。生徒は皆同じ魔法を使っている。自らの手を地面に翳し、同じ言葉を唱えた。
「補助、点火」
地面に蝋燭程度の火が灯る。成功した生徒は先生に誉められている。失敗した生徒には先生が優しく指導している。
ハルトは走って先生の方に向かった。生徒が気付き、くすくすと笑い始める。
「お、遅れました」
先生の目つきが鋭くなる。
「随分遅いですねハルト君」
「すみません」
ハルトは頭を下げた。
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