本編

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翌日の昼休み、俺は真っ先に体育館裏に向かった。 「待っていました」 俺が来るなり、ズバッと一言を放った。 顔や口調に真剣さが伺える。 「話って何だ? 付き合って下さいってか?」 俺は程々に可能性がある事を言う。 「はい、長い話なのでしばらく付き合って下さい」 ……違う意味の『付き合って下さい』が返ってきた……。 内藤は少し間を置いて、俺に喋り始める。 「あなたは世界が動いてないと感じた事がありますか?」 ……は? いきなり、何を言い始めるんだ? 宗教の勧誘か何かか? 「多分、貴方も感じているはず、私が感じていますから……」 「さっぱり意味が分からない」 ああ、本当に意味が分からない。 内藤は更に真面目な口調で 「多分、話しても信じてもらえないでしょうが、言います……私はこの世界の裏側から来ました。そして、私はこの世界の貴方です、近藤大助さん」 と俺をじっと見て言い出した。 ……え? 待て。 お前が俺? てか、いつ俺の下の名前を聞いた? 先公から近藤としか言われてねぇのに……。 「始めは信じられませんが、いつか分かります」 「じゃあ、この世界にどうやって――」 「質問は後にしてください。……話を続けます」 俺の言葉を一蹴された……。 少し自己中だな。 「私の世界はこの世界と違い文明が著しく発達しています。だからこの世界に来れました。……本題に入ります。実はこの世界は一冊の本の一ページなのです。私達は一枚の紙の上で住んでいる事になり、後にも先にも行けない、ただの一ページの中。世界は紙に描かれた絵に過ぎません。だから、同じ事の繰り返しをしています。周りの人はただ気付かないだけ、不思議と思わないだけ。今や私達は絵の上に描かれた落書きに等しいです。……ここまでで質問はありますか?」 内藤は一息で終わらせるかの如く、一気に話した。 「一つ思うんだが、俺は幼少の頃の記憶とか、時代の流れの感覚があるんだぜ? それはどう説明できる?」 「多分、キャラ一人一人の設定です。それと気付いていないと思いますが、今日は月曜日です」 「……それがどうした?」 「私達は日曜に学校に来た事になります。昨日の明日は今日、おかしいと思いません?」 俺は少しずつ、内藤の言葉が信用出来るようになっていった。 ……そう、今日は本当に月曜日だから……。
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