本編

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未来ってのはどんな所だろうと、考えなくなったのはいつだろうか? 10年前は21世紀と聞いただけでロボットだの宙を舞う車だのそんな事で、はしゃいでいた。 だが今はいつもと変わらない、ただ停滞している世界に飽き飽きしている。 毎日同じ様な会話、毎日同じ様な事件、毎日同じ様な暮らし。 俺はこの世界に嫌気をさしていた。 「……ったく、こんな坂のある道の先に学校なんか建てんじゃねぇよ!」 初夏の暑い日差し、俺は途方も無い坂道に少し息切れをしながらも登っている。 本当は100メートルもない坂道なのだが、こう暑くては途方も無い様に見える。 絶対背中はびしょびしょだ……。 やっとの事で坂を登りきり、自転車に乗る。 後は楽に学校まで進める。 坂道の遅れた分を取り戻すように、ペダルを思いっきり踏む。 走りだせば、坂道の暑さもおさらば。 風が気持ちいい! でも、昨日も同じ事を感じた。 違和感はない、が、時間が繰り返している様に思う。 俺が突っ走っていると、角から人が出てきた。 「ちょ?! あぶねっ!」 俺は咄嗟に方向転換し、ブレーキをかけた。 あの人は鈍臭く、動けなかったが、俺がギリギリ避けたおかげで二人がぶつかる事はなかった。 俺は止まれず壁にぶつかったが。 「つつ……っち、気を付けろ!」
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