本編

5/14
前へ
/20ページ
次へ
朝からの先公の説教から始まったホームルーム。 今日、転入生が来るようだ。 しかも、女らしい。 今までに無かったパターンに俺は内心わくわくしている。 だが、今時期に転入というのは……まあいいか、聞けば分かる。 「内藤イサミと言います、親の都合でこちらに転入する事になりました。しばらくの間、宜しくお願いします」 先公の話によると、親が転勤族で長い期間はいられないようだ。 内藤は俺の隣の席に座る事になった。 俺の席はいつも窓側で、いつも一番後ろ。 皆からは『不良』だとか『変わり者』だとか言われて、いつもここに座らされる。 いや、俺自身が望んだ事だ。 「また会いましたね」 内藤が俺に話し掛けてきた。 そういや、朝、俺にぶつかりそうになった鈍臭い女だったな。 「今朝、すみませんでした」 内藤がまた謝ってるが、俺は無視した。 「あの、お詫びを……」 お詫びねぇ……。 「じゃあさ、昼休み体育館裏に来てくんないかな? 今、無理だし」 こういうタイプはこう言ったら真面目に来てくれるからな。 「あ、はい」 ふ、思った通り。 「じゃ、決まりだ」 無視は出来ないな。 よく見りゃ顔もスタイルもバッチリだし、また一人、落とせそうだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加