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「なぁ、銀…お前今幕府の狗と付き合ってンだろ?」 「っ!!」 高杉の言葉に銀時は驚き目を見開いた。 一瞬の夢は覚め、高まった熱が一気に冷えきればザアザアと鼓膜に張り付くような雨の降りしきる音が戻ってくる。 クリアになっていく思考回路の先には何時でも黒い服と煙草の煙を身に纏い、強く、前だけをみる何処までも真っ直ぐで誠実な男の姿。 …土方 脳裏を占めた今、愛する人。 銀時は瞳を閉じれば高杉の肩を押し無理矢理体を引き離した。 「帰れ、お前とはもう終わったろ」 「俺はまだお前が好きだ」 何の抵抗も無しに離れた高杉から発せられた隠さぬ真っ直ぐな言葉に銀時はまた心を乱される。 瞼をゆっくりと開ければ此方を真っ直ぐに見つめてくる深い深い黒。闇に染まったその瞳を見つめれば吸い込まれてしまいそうな錯覚を起こす。 「雨が降るとな、この傷が疼くんだよ」 そう言って高杉は左目を覆う包帯を示すようにその上に被さった濡れた髪を掻き上げた。 その一連の動作を見て銀時は目を見開いた。ズキリと、胸が痛む。 ずきずきと刺さるように胸が痛み呼吸の仕方を忘れたように息が乱れ思わずその場に座り込んだ。 過去の記憶が身体中を駆け巡り銀時の体を浸食する。目の前で次々に倒れる人。視界には何時でも血が飛散し、穢れていく体。護れなかった仲間と己が傷付けた大切な人。
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