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『食器水に浸しといてな』
「ん」
『コーヒーまだあるから飲めよ』
「ん」
主婦のような事をおっさんに言い残し、洗面所へ向かった。
右手で歯磨きをしながら左手でワックスを掴み、そのまま自分の部屋に戻った。
ワックスをスクールバックに突っ込み、また洗面所へ戻る。
歯磨きを済ませて顔を洗い、服を脱ぎ捨てまたまた自室へ戻る。
今度は下着姿なので余りの寒さにダッシュ。
おっさんは新聞を見てるだろうから心配なし。
制服を手早く着て、ヘッドホンを首にかける。
ごちゃごちゃした無線機もスクールバックに突っ込み、玄関へ走った。
『んじゃ行ってくるよ、朝比奈!』
「んぁ。……ちょっと待て」
『んだよ!?もう8時だぞ!既に余裕で遅刻な時間!』
「依頼が入った……今」
おっさんの目が鋭くなり、手に握られた携帯を和希に渡した。
『――はい、××ですが』
黒岩和希の仕事が始まった。
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